故人が負債を遺していた場合には、自宅不動産など、どうしても相続しなければいけない遺産がなければ、相続放棄ということが出来ます。しかしむやみやたらと放棄をしてしまうことによって、逆に損をする場合がありますので気をつけましょう。
もし何らかの理由により、相続することに対して躊躇しているなら、まずは法律の専門家にアドバイスをいただくと良いかもしれませんね。
まず万が一故人が借金を抱えていた場合、返済しなければいけないのは残された遺族になります。
その際に生命保険や貯金などの財産を含めると、相続された金額からきれいに返済出来る場合があります。このような場合には相続放棄をする必要はないのですから、きちんと計算してみましょう。
そして、相続放棄をした場合、生命保険金を受け取ることもできなくなってしまうのでしょうか。 相続放棄をした相続人は、遺産を相続する権利が無くなるのですから、生命保険金も受け取ることができないと考えてしまうかもしれません。
しかし、結論を申し上げますと、原則として相続人は生命保険金を受け取る権利を失うことはありません。生命保険金を受け取る権利は相続人の固有の権利であって、相続人の地位の有無に影響を受けることはないからです。
ただし、生命保険の契約上、受取人が「被相続人」となっている場合には、相続放棄をした相続人は保険金を受け取ることはできません。この場合に、相続人は被相続人の保険金を受け取る権利を相続することによって保険金を受け取ることになり、固有の権利として保険金を受け取るわけではありませんから、上記とは結論が異なることになります。
では逆に、生命保険金を受け取った後に、相続放棄をすることができるでしょうか。これについても、相続人が固有の権利に基づいて保険金を受け取っていた場合には、相続を単純承認したことにはなりませんから、保険金受取後に相続放棄をすることができるということになります。